リーグ戦レポート (2009年3月)

開催日:2009年3月18日13時~ 会場:ミスチョイスQ(高円寺)

参加者(50音順) 綾辻行人(作家)/折原みか(アイドル)/片山まさゆき(漫画家)/ジョン・オコーナー(タレント)/馬場裕一(ライター)/ライアン・モリス(翻訳家) 以上6名

リーグ戦結果(第2節)

  綾辻行人 折原みか 片山まさゆき ジョン・オコーナー 馬場裕一 ライアン・モリス
#1 -47.3 5.8 -16.1     57.6
#2 -20.6 -59.5   69.2   10.9
#3     13.2 -18.0 -52.5 57.3
#4 80.9 -23.9   2.2   -59.2
13.0 -77.6 -2.9 53.4 -52.5 66.6

【GPCリーグ戦 第2節 ミニレポート】

祇園精舎の鐘の声

第2節から初参戦となる作家の綾辻行人と、「日本一華奢可愛い」アイドルの折原みか。そして前回から引き続き参戦の翻訳家ライアン・モリス、片チン代表で1回戦がスタートした。

起家からライアン→綾辻→折原→片チン。

東2局、4巡目に西家の折原がをポン。その2巡後、タンピン系のイーシャンテンになった親の綾辻がドラのをツモ切ると、折原が可愛く「ロン♪」と言ったが、手を開けてビックリ!?

ポン ロン

 華奢可愛い折原の手牌の中身は、頑丈この上ないホンイツの満貫だったのだ。

 これには、振り込んだ綾辻のみならず、片チンもライアンも「マジで?」という表情。ホンイツミエミエの捨て牌でもなく、まだ6巡目ということもあって、それに折原があまりにも可愛らしいということもあって、卓上に一気に緊張が走ったのであった。

綾辻「いきなり暴牌を打ってしまった...」

反省する綾辻を片チンがなぐさめる。

片チン「綾辻さん、こりゃしょうがないですよ」

綾辻「そうかなぁ......いや、しょうがなくはない。これは気を引き締めていかねば!」

 綾辻が気合を入れ直して臨んだ東3局。南家の片チンがをライアンからポン。まだ3巡目だが、2鳴きだ。さらにライアンが切ったを片チンがポン。早い仕掛けに出た。捨て牌にはと並べられている。アンタはバビィか!?

 やっと2回目のツモ番が回ってきた綾辻が、折原の第1打に置かれたを切って「早目の処理!」...のつもりが、

片チン「ロン!8,000点です!!」

ポン ポン ロン

 何とこれが片チンの満貫にブチあたったのだ。

実は、片チンの手は、配牌で以下のようなイーシャンテンだったのだ。第1打に親がを切ったのだが、これを当然スルー。

しょうもないポンテンをとらず、1枚目のも鳴かず、を重ねて、という手作りをしたため、このようになったのである。まさに「テクニック大王」にふさわしいアガリ。

気の毒なのは配牌からを1枚持っていた綾辻だ。綾辻は、遠路はるばる京都からの参戦である。片チン代表としては「ようこそGPCへおこしやす」の心境かと思ったが、いきなり綾辻にハードなパンチを浴びせたのであった。しかも、前局に折原に満貫を振った傷が癒えていない矢先に......。

綾辻「すごいなぁ...みんなすごいよぉ......」

片チン「ワッハハハ。僕は天才かも!」

力なく笑う綾辻と対照的に、目論見がうまくハマって上機嫌の片チン。

だが、奢れる人も久しからず。一寸先は闇なのである。

東4局、片チンが何気なくを切ると、

ライアン「ロン!」

ドラ

ロン

メンチン・イーペーコー・ドラ3の倍満に突き刺さってしまったのだ。

片チン「ウッソー!!」

ライアン「ホンマです」

 アンタら、染め手しか知らんのか! というぐらいド派手にホンイツ、チンイツが飛び交った第1回戦は、かくしてライアンが制したのであった。

 片チンの頭の中には「ゴーン、ゴーン」と、祇園精舎の鐘の声が聞こえていた。

 染め手が乱発した半荘に、観戦していたバビィは「すげぇ!」「すっげぇ!」と興奮していた......。

おりりんブロークン・ハート

2回戦は、片チンとタレントのジョン・オコーナーが交代。ジョンは前回、絶不調ながらも、終始にこやかに麻雀を打ち切ったため、片チン代表から「MGP(Most Good Player)」に選ばれた好青年だ。それなりに名誉な話なのだが、絶不調を続けたいワケはない。正直「今回はあのようなメにはあいたくない」と思っていただろう。

ジョン「ツモ!!」

ドラ  裏ドラ

リーチツモ

 その思い通り、リーチ・タンヤオ・ツモ・ドラ1・裏3のハネ満をアガるなど、本日のジョンは絶好調。ダントツで2回戦を終えた。

 だが、実は、この1局前に大事件が起こっていたのである。もしかしたら、ジョンはその事件があったからこそ、「バカヅキタイフーン」を呼び込んだのかもしれないのだ。

 事件のいきさつは、こうだ。

 まず、西家の折原が5巡目に以下のテンパイ。

 またしても華奢可愛い姿に似つかわしくないごっつい手である。そして折原は元気よく、

折原「リーチ!」

 高目ツモで倍満というリーチをかけた。

 「ツモれ~! ツモれ~!」と念じながらツモる折原。だが、その前にジョンから安目のが出てしまった。「まぁでも、満貫あるし十分だよね」と観戦記者は思ったが、折原はなぜかスルー。

 実は折原、「ツモれ~!」と念じすぎてしまったため、この手の待ちをだけだと勘違いしていたのである。

 折原の手は、の部分は独立したメンツなので外すと、の部分が残る。を雀頭として考えればとなり待ちだ。しかし、を暗刻にとるととなりのノベタン待ちになるのである。折原はこのノベタンを見落としていたのである。

 そして事件はこれで終わらなかった。リーチを受けた親の綾辻は、以下の手のようになっていた。

ドラ

 ドラトイツのリャンメンテンパイで、しかも親である。普通なら追いかけるところだが、場にが4枚切れていた。理論的で丁寧な麻雀を打つ綾辻は、ここでと外していった。の好形をいかし(ツモでリャンメンになる)、再度テンパイを組み直そうとしたのである。

 ところが、ツモは綾辻の意に反してときて、以下のテンパイに変化。

 当然、追いかけリーチをかけて勝負である。

 折原、まだ待ちに気づいていなければ、せっかくのツモアガリ牌で放銃の憂き目にあう。

 次の折原のツモは。ノータイムでツモ切ってしまい、「しまった、カンできたのに!」という表情の折原。確かに、勝負手だからカンをしてもよいが、アガリ牌を見逃してフリテンになっている以上、しなくて結果オーライだ。

さらに次巡、をツモってくるから意地が悪い。先ほどカンをし忘れただけに「今度こそ」とカンをしてしまうと、流局後チョンボになってしまう。折原の手でをカンすると、以下のようになり、

アンカン

待ちが消えてしまうため、この場合のリーチ後のカンはご法度なのである。

見ている方はヒヤヒヤだったが、折原は、少し考えはしたものの、スッとツモ切った。待ちが変わってしまうことは、ちゃんと認識していたのである。

逆に、この待ちについて一通りの思考をめぐらせたから、この時点で待ちに気づいてくれることを祈ったのだが、先入観とは恐ろしい。をカンしなかったのだから、待ちの存在は一度認識していたはずなのに、次巡ツモってきたを、折原はツモ切ってしまったのだ。

せっかくのハネ満ツモが、綾辻の7,700点への放銃となってしまったのである。

折原「ハイ!」

 放銃してもマナーよく、元気に返事ができる折原はエライ! だが、背後から片チンがツッコミを入れる。

片チン「折原さん、それ、実はもアガリだったんだよ」

折原「えっ...えっ...あああ!! 本当だぁ~~!!!」

片チン「そっか、知らないワケじゃなく、勘違いだったんだね」

折原「あっ、はい、私に気が行き過ぎてて......イヤァァァ~! もったいなーい!」

 ひとしきり反省が終わったところで、綾辻が「7,700点ですね」と優しく語りかけたが、折原は頭を抱えたまま。

折原「私なんてバカなの! 酷い、こんなバカ知らない! 超ありえない!! バカバカ!! ......あっ、すみません! 7,700点ですね。すみませんでした! 私、あまりにも悔しくて......グスン......」

 正気に戻るまで、数秒の猶予が必要なのであった。

 かなり可哀想な結果となってしまったが、でも、

綾辻「しかし...アイドルの女の子が、麻雀で失敗しただけでこんなに反省するなんて...なんか、麻雀好きとしては嬉しいですね。歌や踊りで失敗したわけじゃないのに。今日は悔しくて眠れないと思うって言ってましたよ」

片チン「しかし、今回は大失敗だったけど、おかげで一生この待ちでミスすることはなくなっただろうね」

綾辻「ウンウン。折原さんのためには、ああやって放銃したことが、むしろよかったのかもしれないね」

 と、対局終了後の居酒屋で、娘の成長を見守るお父さんたちのまなざしで語り合ったのであった。

最後に魅せた!第30期名人位の意地?

 傷心の折原と、ラス、3着と振るわない綾辻はちょっと一休み。代わりに片チンとバビィ副代表が入り、第3回戦が行われた。

 トップをとったのは本日好調のライアン。ラスはバビィだった。

 ライアンのことは、当レポートであまり紹介されていないが、とにかくこの人は放銃が少ない。そして手が入ってもバラバラでも絶好調でもスーパーヅガンでも、表情がほとんど変わらないのである。いわゆるポーカーフェイスなのだが、それもそのはず。ライアンはポーカーのウデもプロ級で、本人曰く「ポーカーは我慢してオリれる人が勝つゲームやねん。そやから麻雀でも危ない時に我慢できるんかもしれんね。そこが僕の長所かな? でも、それだけやったら、麻雀はあんまり勝たれへんから面白いわ。あと、僕のポーカーフェイスは、ポーカーのホンマのプロには、すぐにバレるでぇ~」ということだ。

さて、休養十分の綾辻と折原が戻ってきた第4回戦。南2局にアツイ勝負が繰り広げられた。

まずは綾辻が先制リーチ。

これを受けたライアン、

ツモ

どれも綾辻の捨て牌には無スジ。ちょっとさばきが難しい手になったが、冷静に打とした。4枚持ちのは危険。できればにくっつけて勝負としたいが、ツモでテンパイなら目をつぶって勝負、というつもりだろう。

実際、ライアンは、次巡、綾辻のアタリ牌をツモり、打で追いかけリーチといった。

 一方、折原の手も煮詰まっていた。

ツモ

 ここから当然の打。イーシャンテンに構え、次巡を重ねて打リーチ。迷いのない形で追いかけることができた。

 こうなるとツライのは綾辻だ。2人にをつかませたが、うまく使い切られて押し返されてしまったから、普通はそう見るのだが、

綾辻「ロン」

 この難局を制したのは綾辻だった。安全牌に窮し、イーシャンテンから「真っ直ぐ」を選択したジョンがをつかみ放銃となったのである。そしてなんと! 裏ドラがで親満となった。

ジョン「ありゃ~」

 またまたヅガンな感じになってしまったジョンだったが、やはり最後まで「上機嫌」なのがジョンのエライところなのである。

 そしてジョンと同様にグッドプレイヤーだった綾辻。1回戦、2回戦と不ヅキに見舞われ、裏ドラがいっこも乗らず、それでも楽しそうにニコニコと麻雀を打った綾辻には、最後の最後に、やっと裏ドラのご褒美があった。

 勝負どころでアガリきった綾辻が、GPC参戦初日の最終戦を、6万点越えの大トップで締めくくった。

 (文中敬称略)

リーグ戦途中経過(第2節終了時)

順位 選手名 打荘数 成績 賞金額
1 梶本琢程(麻雀評論家) 2 66.7 ¥13,600
2 ライアン・モリス(翻訳家) 7 65.6 ¥4,760
3 福本伸行(漫画家) 3 60.5 ¥2,040
4 片山まさゆき(漫画家) 5 36.9  
5 綾辻行人(作家) 3 13.0  
6 ジョン・オコーナー(タレント) 6 -77.3  
7 折原みか(アイドル) 3 -77.6  
8 馬場裕一(ライター) 3 -87.8  

※リーグ戦は全12節。 ※規定打荘数は12回。 ※賞金は2009年3月19日現在の暫定金額。

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